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京都で開催された認知症の国際会議
No282n 2017/06/30
 認知症国際会議が13年ぶりに4月下旬に日本で「認知症の人と家族の会」と国際アルツハイマー協会の共催で開催された。
 今回の会議で語られたキーワードは「当事者」でした。認知症に優しい社会を実現するには、当事者の視点が欠かせない。認知症の本人の参加が約200人と多かったのが特徴で、社会が変わり、認知症の人がより受け入れられるようになった。13年前の会議の時は、認知症は北米やヨーロッパ、日本など、先進国の問題だった。しかし、今回はアジア、南米、アフリカなどから多数の人達が参加した。約70の国と地域から約4千人が集まった。
 世界の取り組みの例としては、イギリスでは、卓上ゲームで認知症の人と介護者が楽しみながら、サイコロを振ってカードを選び、書かれている質問に答え、生活上の困りごとやしたいことが自然に分かる。イランでは、小学生を対象に、認知症教育を実施し、専用のパンフレットも作成した。インドでは、演劇による巡回型の認知症啓発キャンペーンを実施し、認知症になった男性が主人公で、俳優らも参加した。日本では、花を生けるだけでなく、選ぶ、切る、鑑賞するなどを通して、認知症の症状が緩和し、生活自立度が向上することがあるという。カナダでは、各国からの移住者が暮らす多様な国民性で、文化的背景を含め、個々人に合わせたケアが大切。アルゼンチンでは、認知症カフェに本人や家族が集い、心理学の講義で学んだり、情熱的な音楽に合わせてダンスを楽しんだりする。オーストラリアでは、認知症の人向けに訓練した犬を飼ってもらう取り組みで、散歩に出かけるようになったとか精神的に落ち着いたなどの感想があった。さらに、アプリをダウンロードしたスマホを紙箱にセットし、箱をのぞけば認知症の人の世界を仮想体験できるものを作成した。
 認知症は高齢化とともに、世界全体の問題になってきている。若い世代は子育てと同時に、父母の介護も担わなければならない。認知症の人は支援されるだけの存在ではない。水平な立場で一緒に活動したい。最初から手出しはしないで、本当に必要なことだけサポートしてほしい。認知症とともに生きるわたしたちからの希望のリレー〜当事者から当事者へ。バトンを受け取り、今、走っている。みなさんも一緒に走ってほしい。それが希望と尊厳を失わない社会づくりを加速させる。認知症の人は全世界に4,750万人(15年時点)。50年までに3倍近くに増える見込みで、世界的な課題になっている。
SS

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