HOME 新しい診療理念 backnumber 新しい診療理念 No117r

新しい診療理念バックナンバー

ジェネラリストとしての理学療法士
No117r (2014/10/17)
 理学療法士(Physical Therapist、PT)は、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、視能訓練士(ORT)と共に、リハビリテーション専門職の一つである。理学療法は、マッサージ・温熱・電気などを用いる物理療法と、筋力増強・機能訓練・歩行訓練などの運動療法とを組み合わせて、運動障害の回復・改善をはかる治療法である。PTは、医療従事者(コ・メディカルスタッフ)の一員であり、厚生労働大臣の免許を受けて、医師の指示のもとに理学療法を行う。
 したがって、PTはまさにスペシャリスト(specialist 専門家)といえるが、一色史章氏(理学療法士)によると、米国では多方面の知識・技能を有する者という意味のジェネラリスト(generalist)としてのPT(以下、G-PTと略)が存在し、活躍しているという。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03062_02
 米国で医師になるには、一般の大学を卒業後メデイカルスクール(日本の医学部)に行く必要があるが、 G-PTも理学療法士スクールへ進学して資格を取得する。博士課程における理学療法教育のポイントは,エビデンスに基づいた治療ができるとともに、患者が医師を介さず理学療法士のもとに来院した際,理学療法の適応であると判断できる知識・技能を習得することである。
 例えば、腰痛患者の場合、従来は、かかりつけ医→専門医→理学療法士という道順を辿っていたが、すぐにG-PTの診察を受け、軽症の場合は医師の診察を介さずに理学療法をスタートさせることができる。
 医師の処方がなくても直接G-PTの診察を受けられる「ダイレクト・アクセス」の有効性については,医師が診察に時間をかけられるようになった、医療費の抑制,待ち時間の短縮,患者の高い満足度などの評価がなされている。
 一方、わが国おいては、チーム医療の必要性が叫ばれながらも、依然として「医師の指示のもとに」という制約がコ・メディカルスタッフの活動を阻害している面がある。超高齢者社会迎えた現在、利用者のニーズは多様である。医療・看護・介護・リハビリテーションなど、利用者の状況によって主役は医師でなく、最も役割の大きい職種がリーダーシップをとるべきである。ジェネラリストの養成は容易ではないが、チーム医療が柔軟に行われるように医師法を改正することも一つの対策ではないか。
TI

          理学療法士(PT) | コ・メディカルスタッフ | ジェネラリスト | チーム医療医師法
関連記事サイト内検索  :記事の最後のイニシャルをクリックすると、同じ著者の記事を検索できます。
       :キーワードのリンクをクリックすると関連記事を検索できます。