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CKD慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease)
No118r (2014/11/14)
 腎臓は、血液を濾過して尿を通じて有害な老廃物質を体外へ排泄するのを主な働きとしている臓器である。腎臓のこの働きが長く或いは強く障害されと腎不全・尿毒症となる。腎不全は急性腎不全と慢性腎不全とに分類されるが、急性腎不全が長期間持続するから慢性腎不全になるのではない。別の病態である。ここでは急性腎不全については触れない。
 CKD慢性腎臓病は一つの疾患名ではない。放っておけば慢性腎不全を起こす可能性が高く、動脈硬化を併発し易く、臨床検査で同じような異常値を示す腎臓の病気を纏めてCKD慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease)と呼んで、慢性腎不全に移行しないように早期に対策を立て実践しようと、アメリカ腎臓財団が提唱した。慢性腎不全になると有毒な老廃物が血中に増え、脳を障害する。これが尿毒症である。
 将来、慢性腎不全になる可能性が高い腎臓疾患には、糖尿病性腎症(Kimmelstiel-Wilson症候群)、原発性腎硬化症(細小動脈硬化性或いは良性腎硬化症ともいう)及び続発性腎硬化症(慢性糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、水腎症などの末期)等が含まれる。腎硬化症のことを萎縮腎とも言う。
 昔は慢性糸球体腎炎後の続発性腎硬化症が多かったが、現在の日本では糖尿病性腎症(Kimmelstiel-Wilson症候群)が多い。糖尿病は若年者のI型と中高年者に多いII型とがあるが、それらの成因は異なる。勿論、多いのはII型で生活習慣病の代表である。糖尿病で起こる動脈硬化は、太い動脈の粥状硬化症と細い動脈に起こる細小動脈硬化症の両方とも起こるので始末が悪い。心筋梗塞や脳梗塞、大動脈瘤或いは下肢の壊疽は太い動脈の閉塞、血栓或いは動脈壁の脆弱性による動脈腔の拡張が原因であるが、糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症、脳の血管性認知症は細小動脈硬化が主な原因だ。

註)この慢性腎臓病を理解するには腎臓の働きを知っておくとよいので、医療ニュースNo231n(2014/12/12)「腎臓の働き」の項を参考にされたい。
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