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健康に老いる
No135r (2016/09/09)
 フリーラジカル説(酸化ストレス説)始め、老化の学説は無数にあるが、どれも定説となっていない。老化の原因が明確でないので、それを防いだり遅らせたりする方法は確立されていない。アンチエイジング(抗老化)に効果があったという研究には、検証されていない情報が氾濫している。ほとんどはあとになって問題を指摘される場合が少なくない。
 個体差が大きいヒトが健康に老いるためには、現時点で言えることは、若いときには活発であっても高齢期には発現が不活発になりがちな遺伝子を呼び覚まし、生体恒常性維持機構をバランスよく活性化することである。そのことで老人病のリスクを減らすことができる。それには年齢や体調にふさわしい負荷をかけることである。サプリメントに頼らないで肉・魚・野菜・果物など栄養面で多様な材料を使った通常の食事から必要な栄養を摂取する。ほとんどのサプリメントは副作用で健康にマイナスが起こる。分裂終了細胞である、筋肉や脳も高齢になるまで内外の刺激に応答する力を備えている。散歩や運動などで習慣的に体に適度な負荷をかけることである。
 以上は、薬学出身で分子生物学、生化学、基礎老化学、老年学の専門家である後藤佐多良氏の著書、「健康に老いる 老化とアンチエイジングの科学」、東京堂出版、2012年11月15日発行、による。
 蛇足になるが私見を加えると、健康は身体的なことばかりではなく、本人の精神的な平常心、平静な心が大切である。この心が大切なバランス―免疫能、神経機能、内分泌機能など―を適切に保つ。これは老年病のリスクを減らす。本人の趣味や能力に合わせて日々励むことが、自分自身の楽しみと周囲の人々への貢献となり生きがいを感じて、大切な日々を生き生きと過ごすために有効である。
 これが現時点での健康に老いるということになるのではないだろうか。
SS

     老化遺伝子活性化負荷バランス
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