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Comfort feeding Only(楽しみ介助食)
No139r (2017/02/24)
 認知症が進行して末期になり、自分で食事がとれなくなった時に、これまでは経管栄養により補給されることが多かったが、回復の可能性のない認知症患者に延命のためにすることには批判的な意見もある。その様な中で出来るだけ介助による経口摂取に努め、本人の好みにあわせて、食べ易いものを、食べられるだけ食べて、無理には食べさせない。食べさせることを栄養補給の目的とするのではなく、本人の楽しみを目標とする考えとすれば、家族も胃瘻造設ではなくて経口摂取の維持に納得し易いのではないだろうか。Palecekらは2010年に認知症末期になったときの経口摂取を体重維持のための栄養補給ではなく、食べる楽しみを目的とするComfort feeding onlyを提案している。
 経管栄養の一つとして経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は内視鏡を用いて短時間に患者への侵襲が少なく作る事ができるので、適応範囲が広げられ急性期の栄養補給を目的として普及した。認知症の末期になって経口摂取ができなくなった時に胃瘻造設がなされるようになったが、誤嚥性肺炎の予防にはその効果は期待出来ず、合併症もあることからあまり薦められなくなった。しかし家族にしてみれば出来ることをしないでおくことに抵抗感があり、とりあえず胃瘻をつけるが、認知症は進み単なる延命を続けることに疑問を感じるようになっても注入を中止することはできず悩むこともある。
 これからはいろいろなことが出来るようになり、その選択に悩まされることがあると思われので、常日頃あたらしい医療が紹介された時にその功罪についても考えるようにしたい。
SF

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