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高血圧に対する様々な薬(降圧剤)の簡単な作用機序
No281n (2017/05/19)
 血圧とは血液が血管の壁に及ぼす側圧力のことで一般には動脈壁に対する圧のことを意味するが、勿論、静脈や毛細血管にも血圧はある。動脈は実際には特に腕の動脈に対する圧を測っている。心臓が収縮・拡張する時の血液を駆出する力、動脈の腔の広さと壁の弾力性及び血液の粘調度などが影響する。 心臓が収縮した時に圧は高く(収縮期圧、最高血圧)、拡張した時の圧は低く(拡張期圧、最低血圧)なる。血圧は運動時、精神的興奮時などで変わるが、通常は安静時で測定している。異常に高いと動脈硬化症、脳出血の危険性が増すので、しばしば降圧剤が使用される。
 高血圧症になるには様々の因子がある。それぞれの因子に対応して薬剤が開発されている。

1)アンギオテンシン変換酵素阻害剤Angiotensin Converting Enzyme (ACE) Inhibitor:
腎臓で分泌されるreninの影響で副腎から分泌されるangiotensinogenを動脈の緊張を高める作用能力のあるangiotensin に変換させる酵素を阻害することによる降圧。
2)アンギオテンシンII受容体拮抗薬Angiotensin II Receptor Blockers:
上記の1とは機序が異なり、アンギオテンシンが血管壁の平滑筋細胞に入る入をブロックする。
3)カルシウム拮抗剤 Calcium Channel Blockers:
血管の収縮は血管の壁にある平滑筋の収縮による。平滑筋が収縮する時に、細胞外にあるイオン化カルシウムのチャンネルを通しての細胞内への移送が必要である。そのカルシウム・チャンネルを阻害することにより、動脈壁の収縮を妨げる。
4)レニン阻害剤Direct Renin Inhibitors:
腎臓の旁糸球体装置から分泌されるレニンを阻害することにより、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の働きを弱め、血圧を下げる働きをする。
5)β遮断薬β-blockers :
注射薬と内服薬がある。平滑筋は自律神経のアドレナリン系の影響で収縮する。そのための細胞内へ入口に相当する受容体がある。血管の平滑筋には主にβ受容体があり、これによって動脈は収縮し、血圧は上がる。降圧作用の他に心不全或いは抗不整脈剤としても用いられ、特に心疾患を合併した高血圧の治療に用いられる。
IS
   β受容体ブロッカー | 変換酵素阻害剤 | カルシウム受容体 | レニンアンギオテンシン